今日は、新型コロナウイルスの後遺症についてお話しします。
新型コロナウイルス(COVID−19)が本邦でも猛威を奮っており、多くの感染者を出しているのはご承知の通りです。
この新型コロナウイルスですが、場合によっては命の危険があり、重症になると長期間の入院や集中治療が必要になります。
そしてなんとか回復したとしても後遺症が残る事例が多く報告されています。
新型コロナには後遺症がある?回復する?
アメリカの疾病対策センターでPCR検査の結果、新型コロナと診断された300人ほどの患者を数週間の間調査した研究があります。
検査が陽性になってから3週間後も患者の半数はだるさや咳などの症状が残っていたという結果が出ました。
長期間の経過を追った研究としては国立国際医療研究センターによるものがあります。
(2020年10月掲載:COVID-19回復後に遷延する症状と遅発性合併症)
これは同センターに入院した患者78人を対象として、電話による聞き取り調査を行ったもので、回復後の持続症状などを確認しています。
78人の対象者から退院後死亡や認知症などで聞き取りできなかった人を除いた63人について調査が行われました。
この結果、発症から120日を超えた時点でも後遺症が残る人がいることが明らかになりました。
発症120日時点では、咳が6.3%、倦怠感が9.5%、呼吸苦が11.1%、味覚異常が1.7%、嗅覚異常が9.7% に見られました。
この研究の結果を見ていると、新型コロナ後の長期間持続する後遺症は決してまれなものではなく、回復した後でも後遺症に苦しむ人が一定数いることがわかります。また軽症であっても嗅覚あるいは味覚障害が継続した人が1割程度板との報告もあり、症状が軽かったからといって後遺症が残らないというわけではないようです。
新型コロナ後遺症の原因は?
新型コロナの後遺症の原因はまだ十分に解明されていません。新太がコロナの場合、ウイルス自体の活動による肺へのダメージだけでなく、ウイルスに対して過剰に反応した自らの免疫応答で肺が攻撃され肺が線維化(炎症が起こった結果、肺の壁が厚く固くなること)します。
この線維化が起こると回復までに長時間かかり、これが後遺症の大きな原因の一つだと考えられます。
他にも隔離や集中治療のストレス、入院や隔離生活の中で長期間運動ができなくなったことでの筋力低下や、治療に使用した薬剤の影響などが後遺症に関連していると考えられます。
コロナ後遺症の治療は?
前述したように新型コロナの後遺症がどのような原因で起こっているのかは完全には解明されていません。ですから治療についても確立したものはなく、対症療法(症状が出現したらその症状を和らげる治療をしていく)が基本になります。
呼吸困難に対しては早期の呼吸器リハビリテーションが有用であるという報告も出ており、新型コロナ感染後に長期間残る症状がある方は、まずは医療機関に相談し、適切なフォローアップを受けることが現段階では重要です。
まとめ
新型コロナの後遺症について見ていきました。コロナウイルス の後遺症に悩まないためには当然感染しないことが重要です。
コロナウイルスを正しく理解し、今回の流行が収束するまで感染対策をしっかりと行うことと、日頃から免疫を落とさず、高めていくことが大切です。
その他札幌健康管理室では、免疫維持やコロナ後遺症に関する健康相談を随時受け付けております。
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